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Vladimir Rybaltchenko

Vladimir Rybaltchenko

ヴラディミール・リバルチェンコ

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ウラジーミル・リバルチェンコは、フランスで活動した彫刻家、画家、エルメスのカレデザイナーです。

エルメスを代表するアーティスト、フィリップ・ルドゥの一族に連なり、自身もメゾンのために複数の印象的なカレを手がけました。

また、息子のディミトリ・リバルチェンコも、後にエルメスを代表するデザイナーのひとりとなっています。

## ロシアからフランスへ

ウラジーミルの父はキーウに生まれ、ロシア革命後まもなく祖国を離れました。

橋梁技師として教育を受け、フランスへ移住した後は、ルノーやシトロエンで働いていたと伝えられています。

技術者である一方、美しい歌声の持ち主でもあり、その歌声が若いフランス人女性アリス・ルドゥの心を捉えたといわれています。

## ルドゥ家とのつながり

アリス・ルドゥは、イギリスで生まれ育ったルドゥ家の末娘でした。

彼女の兄たちは、それぞれ文学、外交、芸術の分野で活躍しています。

その中でも最もよく知られているのが、エルメスのカレの歴史を形づくったアーティスト、フィリップ・ルドゥです。

フィリップ・ルドゥは、馬術、歴史、航海を題材とする数多くの名作を生み出し、現在も高い人気を誇るカレを残しました。

ウラジーミル・リバルチェンコは、こうした芸術的な家系の中で育つことになります。

## 家族と幼少期

父親の反対があったものの、両親は結婚し、ボリス、ヴェラ、ウラジーミルの3人の子どもが生まれました。

ウラジーミルは、芸術、文学、技術が身近にある環境で成長しました。

叔父にあたるフィリップ・ルドゥが絵を描く姿や、エルメスのために図案を制作する様子も、彼の創作に大きな影響を与えたと考えられます。

## 彫刻家と画家

ウラジーミル・リバルチェンコは、彫刻家、画家として活動しました。

立体と平面の両方を扱う経験は、形の構造や量感、動きを捉える力につながっています。

その作品には、対象を正確に観察する視点と、装飾的な構成へとまとめる感覚が共存しています。

こうした能力は、シルクの正方形の中に複雑な世界を組み立てる、エルメスのカレの制作にも生かされました。

## エルメスとの仕事

ウラジーミル・リバルチェンコは、フィリップ・ルドゥに続いてエルメスのためにデザインを手がけました。

馬、騎手、歴史的な装飾、神話的なモチーフなどを、緻密で力強い構図によって表現しています。

ルドゥから受け継いだ伝統的なデッサン力を基礎としながらも、彫刻家らしい立体感や独自の装飾性を加え、自身のスタイルを築きました。

## 「Les Cavaliers d’Or」

ウラジーミル・リバルチェンコの代表作として特に知られているのが、「Les Cavaliers d’Or(黄金の騎士たち)」です。

古代の騎馬像や装飾品を思わせる黄金の騎士たちが、均整の取れた構図の中に配置されています。

馬と騎手の姿には彫刻のような量感があり、金属工芸や考古学的な遺物を眺めているような印象を与えます。

力強い図像、華やかな色彩、エルメスの原点である馬術文化が融合したこの作品は、現在も高い人気を持つカレのひとつです。

## フィリップ・ルドゥの未完成作品

フィリップ・ルドゥが1975年に亡くなった後、未完成の状態で残された作品の一部は、ウラジーミル・リバルチェンコによって完成されました。

「La Marine à Rames」や「Les Trois Mousquetaires」などがその例として知られています。

単に図案を仕上げるだけではなく、フィリップ・ルドゥの意図や線の特徴を理解し、その世界観を損なわない形で完成へ導く必要がありました。

この仕事は、二人の間にあった芸術的なつながりと、ウラジーミルの高い技術を示しています。

## 父から息子へ

ウラジーミルの息子ディミトリ・リバルチェンコも、幼い頃から父やフィリップ・ルドゥが描く姿を見て育ちました。

1990年、ディミトリは父に同行してエルメスを訪れ、自身の最初のデザインをジャン=ルイ・デュマに見せました。

その後、ディミトリは数多くのカレ、時計の文字盤、オブジェ、ウィンドウディスプレイを手がけるアーティストとなります。

フィリップ・ルドゥからウラジーミルへ、そしてディミトリへ。

エルメスのカレをめぐるデッサンと物語の伝統は、三世代にわたって受け継がれました。

## 芸術的な系譜

ルドゥ=リバルチェンコ家の作品には、共通して緻密なデッサン、馬への関心、物語性のある構図が見られます。

しかし、それぞれのアーティストは同じ表現を繰り返したわけではありません。

フィリップ・ルドゥは歴史画や海洋画に通じる壮大な構図を築き、ウラジーミルは彫刻的な力強さと装飾性を加えました。

ディミトリはさらに、詩的なユーモアや幻想性、現代的な視点を取り入れています。

同じ家族の中で、伝統が守られると同時に、時代に合わせて変化してきたことがわかります。

## ウラジーミル・リバルチェンコの魅力

ウラジーミル・リバルチェンコは、フィリップ・ルドゥの芸術的な遺産を受け継ぎながら、彫刻家、画家としての感性を加え、独自のカレを生み出しました。

馬と騎手を立体的に捉える力、歴史的なモチーフを華やかな装飾へと変える構成力、そして家族の作品を深く理解する眼差し。

それらが結びついた作品は、現在もエルメスのコレクターから高く評価されています。

2002年に亡くなった後も、その創作は息子ディミトリへと受け継がれています。

ウラジーミル・リバルチェンコは、エルメスの歴史において、フィリップ・ルドゥと現代のディミトリ・リバルチェンコをつなぐ、重要なアーティストです。

Les Cavaliers D'or

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